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ドコモ、5G対応テレワークロボや警備ロボを提供開始

NTTドコモは、映像伝送、XR、ロボティクス、製造IoT分野における5Gに対応した7つのパートナーソリューションの提供を11月5日から開始した。一部は今後、低遅延、高セキュリティなどMEC(Multi-access Edge Computing)の特長を持つクラウドサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」にも対応を検討する。

新たに提供されるのは以下の7つ。

・AMATELUS「SwipeVideo」
・ネットワンシステムズ「AI温度検知ソリューション」
・ABAL「ABALシステム」
・スマートスケープ「REFLEKT Remote」
・大成/Mira Robotics「ugo(ユーゴー)」(警備仕様版)
・スマートロボティクス「テレワークロボット」
・シナプスイノベーション「UMリモート監査」

7つのソリューションのうち、AMATELUSの「SwipeVideo」、スマートロボティクスの「テレワークロボット」、大成/Mira Roboticsの「ugo」(警備仕様版)の3つは、NTTドコモ、NTTドコモ・ベンチャーズが2020年9月15日に実施した、5Gのソリューション創出コンテスト「docomo 5G DX AWARDSTM 2020」において、最終選考会に選出されたパートナーによるもの。

2018年2月に開始した「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」のパートナー数は現在3,500社を超えたという。今後、2021年度末までにパートナー数を5,000社まで広げ、5Gサービスのさらなる拡大と、さまざまな分野における5Gソリューションの拡大をめざす。同日開催された展示会では、2社のロボットが出展された。

遠隔操作ロボット「ugo」(左)と、UV-Cによる殺菌灯搭載ロボット(右)

カスタマイズロボでテレワークや消毒も

スマートロボティクス「殺菌灯搭載ロボット」

「docomo 5G DX AWARDS 2020」で準優勝を受賞したスマートロボティクスからは、カスタマイズ可能な移動・遠隔操作ロボットプラットフォーム「テレワークロボット」が提供される。

ロボット本体にLTE通信モジュールとタブレットを搭載しており、遠隔操作で運搬や会話ができる。本体重量は約20kg(バッテリー除く)で、可搬重量60kg、けん引重量150kgの運搬能力がある。最高速度は1.4m/s。現場に行かなくても、自宅や遠隔地から作業に従事できる。PCやスマートフォンに専用コントローラーを接続するだけで操作でき、導入即日に使用可能だという。

ベースロボット部に通信モジュールを搭載。用途に応じてカスタマイズ可能
簡単に遠隔操作可能

今回は「テレワークロボット」をベースにしたカスタマイズ例として「殺菌灯搭載ロボット」を出展した。殺菌効果を持つ紫外線UV-C波長254nm照射ランプを搭載し、遠隔操作できるので安全を確認しながら殺菌ランプを照射させることができる。

2020年6月には「新型コロナウィルス感染症神奈川県対策本部」協力のもと、新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養施設にて実証実験を行なった。現在は横浜栄共済病院にすでに導入されている。他にも多くの病院から問い合わせがあり、現在、納品準備を進めている段階。

そのほか、予算やニーズに合わせて自律走行機能や、荷台やアームの設置などが可能であり、物流業界などから引き合いがあるという。殺菌灯搭載ロボットには海外製含め様々なものが出ているが、同社では日本メーカーならではの、要望に応えやすい点も売りの一つとしている。

出展ロボットに搭載されているのはデモ用の蛍光灯だが本番機にはUV-C照射ランプを用いる
ロボット上部のカメラやアンテナ類
ロボットにつけられたハンドルは現場からの要望に応えたもの。

次世代型ハイブリッドアバターロボ「ugo」

大成とMira Roboticsによる遠隔操作ロボット「ugo」

大成とMira Roboticsも「docomo 5G DX AWARDS 2020」の最終選考会参加企業だ。こちらからは遠隔操作ロボットの「ugo」が提供される。重量は60kg。カメラやマイク、深度センサーなど各種センサーを搭載している。片腕1kg可搬の2本のアームで作業も可能で、たとえばエレベーターのボタンを押したりできるので、無線を使った機器連携などをすることなく使用できる。

遠隔操作のほか、自動モードでも使うことができ、同社では単純なアバターロボットと完全自動化ロボット双方の利点を併せ持つ次世代型ハイブリッドアバターロボットだとしている。

主な用途はビル警備。同社は2019年から総合ビルメンテナンスの大成と共同で実証実験を行なってきたが、実証実験は12月末に終了し、2021年から本格的に大成から商用化する予定としている。遠隔操作ロボットと警備業務を「見える化」するプラットフォーム「T-Spider」と組み合わせて提供する。

今回のリリースに合わせて、台車とカメラ部だけでリーズナブルな「ugo Stand」、2本腕のある標準モデル「ugo R」、腕に加えて高さ調整(104cmから165cmまで)ができる「ugo Pro」の3タイプが発表された。それぞれ価格帯が異なり、月額リースで提供予定。

双腕に加え愛嬌のあるデザインも特徴
ugo上部のカメラからの画像。5Gでより高解像度にできるという
5G対応ルーターを背面に搭載