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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 ビル管理などを手掛ける大成は、ロボットを活用しビルの警備業務を効率化した。同社が警備を請け負う東京・品川駅前の複合ビル「品川シーズンテラス」に、遠隔操作ロボットを2台導入し、2021年4月から本格運用を始めた(図1)。

 警備員がロボットを遠隔操作し、不審者がいないかなどをロボットのカメラ越しに監視する。これにより、広いビル内を歩いて見回ったり、ビルの入り口に立ち続けて見張るといった警備員の負担を軽減した。日本のロボットベンチャーであるugo(2021年5月にMira Roboticsから社名変更)のロボットを利用している。

図1 品川駅前の高層ビルの警備でロボットを活用
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図1 品川駅前の高層ビルの警備でロボットを活用
ビル管理などを手掛ける大成は、同社が警備を請け負う「品川シーズンテラス」で遠隔操作ロボットを2台導入した。警備業務のうち、フロア内を見回る「巡回」や入り口に立って不審者がいないかなどを監視する「立哨」などの業務をロボットで効率化した。

 ビルの警備は入館者の管理や案内、出火や設備の不具合などがあった際の駆け付け対応など、業務内容は多岐にわたる。今回、品川シーズンテラスではその中でも、フロア内を見回る「巡回」と、建物の入り口などに立ち不審者などを見張る「立哨」の業務にロボットを適用した(図2、図3)。これらの業務は、見張ることに重点があるため、カメラとロボットを用いて効率化できると同社は判断した。ロボットを「動く監視カメラ」として用い、人はその映像の監視に専念することで警備の質を担保している。