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 業務改革を支援するロボットの開発を手掛けるスタートアップのugo(ユーゴー、東京・千代田)は2022年11月30日、自社イベント「ugo go! 2022」を開催し、新型のロボットや他社製ロボットとの連携機能などを披露した。

 新型ロボットは、オフィスビルなどの巡回警備や点検に使われている現行ロボット「ugo」シリーズを大幅に小型軽量化した業務用ロボット「ugo mini」のコンセプトモデルである(図1)。

図1 「ugo mini」のコンセプトモデル
図1 「ugo mini」のコンセプトモデル
小型軽量で走行時の騒音が小さいのが特徴。ペリスコープカメラは160cm程度の高さまで伸びる(写真:日経クロステック)
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 ugoは高さ180cmの立位で、人間のように2本のアームを備えるが、ugo miniはアームを備えず、本体部が炊飯器のような形状をしている。伸縮可能なペリスコープカメラを搭載し、人間の目の高さ(160cm程度)からの映像を伝送できる。

 ugo miniは、セキュリティールームや開閉が困難な扉がある場所の中など、通常はロボットが入れない空間に常駐させる目的で開発したという。同社CEO(最高経営責任者)の松井健氏は「実際にデータセンター内や介護施設でugoを使いたいというニーズがあるが、データセンターでは通路が狭いためにugoよりももっと小型の、そして介護施設では走行時の騒音がもっと静かなロボットが欲しいという要望があった」と開発のきっかけを語る。

 詳細な仕様は未公表だが、本体部は直径30cm程度である。静音化については、ギアレスで高出力のダイレクトドライブモーターを採用した。これによって「走行時に発する騒音がかなり小さくなる」(松井氏)という。

 ugo miniはugoと同様、2次元LiDAR(レーザーレーダー)を搭載し、そのデータを基に導入された場所の地図を作製して自動巡回する。購入した後にセンサーを追加できるセンサーカートリッジも提供する予定だという。

 レンタル価格は「月額5万円以下を目標にしている」(松井氏)。現行のugoは、ハイエンドの「Pro」で月額14万8000円から(税別、以下同)、廉価版の「Ex」で月額9万8000円である。同社はコンセプトモデルを2023年に限定提供し、製品化は2024年以降を予定している。