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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
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 東北電力は、同社として数十年ぶりの新設となる火力発電所「上越火力発電所」での点検作業に移動マニピュレータ型のロボットを導入した(図1図2)。

 発電所内には安全上、毎日目視で点検しなければならない箇所が100個以上あり、連日、数人の所員が2時間もの時間を掛けて実施している。東北電力はこれをロボットで代替する。既に現場に導入して毎日稼働させており、最終的な調整を進めているところだ。

 発電所内は複数フロアにわたっているため、2023年3月末までにはエレベータにも自動搭乗させる。一般的な無線通信による連携ではなく、アームを用いてエレベータのボタンを自ら押して搭乗する方式だ。

図1 発電所内を巡回し自動点検
図1 発電所内を巡回し自動点検
アナログの計器(メーター)をカメラで読み取ったり、振動センサのデータなどをRFID経由で自動収集したりする。
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図2 東北電力の上越火力発電所の外観
図2 東北電力の上越火力発電所の外観
新潟県上越市にある。中央の大きい建屋が発電設備のある棟、左側が事務所棟。(写真:東北電力)
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